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免疫とは,自己以外のものを異物と認識して戦うことにより,からだを守る機構のことです。 ところが,過敏症やアレルギーなどの疾患では,免疫機構が過剰に反応することにより,自分自身の細胞や組織にも害を与えてしまいます。
免疫寛容という言葉があります。これは,免疫機構が自己を攻撃しない,あるいは,自己以外の者がからだに入ってきても外敵と認識せず,戦わないで受け入れることをいいます。
ある異物に対してアレルギー反応を起こしていても,繰り返し接していると慣れてきて反応を起こさなくなるのは,免疫寛容状態になったからです。
テレビでも放映されたので,ご存知の方もあるかも知れませんが,免疫学の世界的な権威であった多田富雄先生(故人)は,人間社会においても免疫寛容が大切であると力説されていました。
自分と合わないものを排除する,あるいは戦うのではなく,自分と異なる考えも受け入れることが大切ではないでしょうか。
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2010/08/11
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