きよすクリニック 診察室から

代償の大きすぎる教訓  No.34
今回の震災、津波および原発事故により被災された方々に対し、心よりお見舞い申し上げます。

甚大な被害をもたらした災害ですが、ただ復興するだけではなく、今後の教訓として、未来につながる行動をしていきたいものです。

医療面で言えば、透析患者さんは電気・水道などのライフラインや透析施設の損壊などの影響を受け、生命の危機にさらされてしまいやすいということを痛切に感じました。

もちろん、腎不全の患者さんがいくら努力しても病気が進行し、透析導入に至ることはあります。しかし、「低たんぱく食」により透析導入を遅らせることが可能なのですから、国や腎臓関連の学会がもっと「低たんぱく食」を推進していれば・・・と思わずにはいられません。

また、糖尿病や脂質異常症、高血圧症などの生活習慣病は、過食や運動不足などに注意することで発症や悪化を防ぐことが可能です。
糖尿病を発症してしまっても、「糖質制限食」により、最小限の薬物で血糖コントロールが可能です。

病気の人が増えるということは、医療費の増大だけでなく、マンパワーをはじめとする社会的損失が増えるということです。

病気にかかっている人は医療を受ける側、災害時に救済を受ける側となり、逆に健康であれば、病気にかかっている人や被災者に手を差しのべる側になることができるのです。

生活習慣を改善することにより、病気にかかる人が減れば、本人の努力と無関係に病気にかかってしまった方々や被災された方々により多くの医療費やマンパワーを動員することができるのです。
2011/03/18



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